2023年1月9日の政府与党は新しい少子化対策の一環として、年金保険、医療保険、介護保険、雇用保険の各社会保険から拠出金を積み上げていき、非正規雇用労働者などを対象とした子育て支援の新しい給付制度の創設を検討していることがわかった。これにより国民一人あたりの月額保険料の徴収額が数百円程度上がる見込みです。日本国民全体で子育て支援をしていく仕組みを作っていく狙いです。この制度の導入は早くて2024年度以降の制度導入を検討しています。2024年の通常国会で新法の提出を予定しています。
ターゲットはどこの層?
今回の新しい給付制度を対象にしているのは育児休業明けの短時間勤務を希望する労働者や育児休業を取得することができない非正規雇用労働者、自営業者を対象にしていまうs。
現状の制度は?
現行制度は社会保険に加入している正規労働者の場合は産前産後休暇中の社会保険料の免除、育児休業期間中の社会保険料の免除、雇用保険からは育児休業給付金の支給があります。また、育児休業明けに短時間勤務を希望する労働者の賃金減少に伴う社会保険料の報酬月額変更の特例が存在しています。
育児休業給付金の支給限度額引き上げ
非正規雇用労働者や個人事業主の子育て給付に関してはこれから詰めていくとのことですが現状として上げられているのが育児休業給付金の支給限度額の引き上げが予定されている。現状は上限額は約30万円ほどになっています。
出生時育児休業期間を対象として事業主から支払われた賃金が0円の場合
休業開始時賃金日額×休業期間の日数×67%
休業開始時賃金日額の上限が令和5年7月31日は15,190円となり休業期間の日数の上限は28日になります。
結果として15,190円×28日×67%=284,964円 です。
賃金日額を引き上げるのか給付率を引き上げるのかは現段階では不明です。
実現するには年間数千億円から1兆円規模の財源確保が必須
今回の施策を実現させるためには年間数億円から年間1兆円超の財源を確保する必要がある。時限的な措置では恒常的な措置のため、毎年の上記の金額を保有しておく必要がある。このための財源として各社会保険料から拠出金という形で積み立てを行っていく必要性がある。この拠出金の管理に関しては2023年4月に発足するこども家庭庁が所管部署となり、とりまとめていく。
児童手当の拡充も合わせて行う予定
非正規雇用労働者や個人事業主の育児支援に伴い、2023年1月年初の首相挨拶にて【異次元の少子化対策】の一環として児童手当の拡充も合わせて示唆しました。これに関しても実現するために数兆円規模の財源確保が余儀なくされる。
現行制度では中学校卒業まで(15歳誕生日後の最初の3月31日)の児童を養育している方に支給されます。
支給額に関しては下表のとおりです。
児童の年齢 | 児童手当の額(1人あたり月額) |
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上小学校修了未満 | 10,000円(第3子以降15,000円 |
中学生 | 一律10,000円 |
児童を養育している方の所得が一定の所得制限限度額以上、所得限度額未満の場合は特例給付として月額一律5,000円を支給
上記に関しては所得制限の緩和、多子世帯への手当増額などの拡大案が検討されています。
非正規労働者を対象に子育て給付創設 社会保険料から拠出金まとめ
子どもを養育していない世帯や単身世帯に関しては社会保険料は月額数百円とはいえ、増額になるお知らせになり残念なひとも多いと思います。2022年は防衛費の増額に関しては復興特別所得税の一部流用やたばこ税での補填などの報道がありました。2022年から物価高高騰によるモノの値上げなど給与の伸び率が鈍化しているなかの可処分所得の減少は手痛いところではあります。少しも減税などの明るいニュースも欲しいです。