給料は微増ながら上がっていくものと考えている時代も終わりを迎えつつあります。毎年、春闘で賃上げ要求することは耳にすると思います。
労働組合がない会社にとってはあまり影響がない模様です。「賃上げ」ならぬ「賃下げ」提案するという記事を見つけたので今日はこの件について書いてみたいと思います。他社の給与の賃金構成も嘘か誠か流出していたので興味深いところではあります。
NTTドコモの賃金構成
信憑性はさておきですがNTTドコモの月例賃金の構成になります。
40代後半の現職営業職員のお話から
資格賃金 217,000円 → 職種別の基本給
加給 約90,000円 → 在職期間の評価に基づく(年齢給的なものを考慮?)
各種手当 17,000円 → 職責手当・サポート手当・成果給
小計 約320,000円
コース加算 62,000円 → 勤務エリアに応じた手当、全国転勤ありの場合
エキスパート手当 11,000円 → 主査クラスによる
※コース手当、エキスパート手当は事業特性等に応じた手当に該当するものかと
合計 約440,000円
諸手当を「グレード賃金」という体系に圧縮変更
図で示したとおり「グレード賃金」に給与体系を変更するというのが今回の趣旨になるようです。
新体系の場合、「グレード賃金」の上限が300,000円弱とのことで上記の社員を当てはめると100,000円弱の給与ダウンにつながり、
年収では1~2割減る計算で、これでは生活やローンの返済計画も狂ってしまいます。特に職歴が長い人ほど手厚かった『加給』の概念がなくなる影響が大きい。40代以上の社員には『長年働いたのに報われない』と転職を口にする者も出てきています
文春オンライン
また、さらに不満を募らせる理由として「給与水準を主要7社で統一」するという点がある。
グループ全体で2022年3月期は予測営業利益は1兆7,450億円を見込んでおり、ドコモは5割以上の9,200億円を稼ぐ見通しとのこと。
総社員数は約32万人で、うち3万人がドコモ社員だという。
NTT東日本や西日本は、固定回線やフレッツ光の顧客対応で基本的に平日昼間の勤務が多く、収益が低い。ドコモは休日出勤、残業が多いので不満が噴出しているようです。
不利益変更による合理性・必要性
詳細な情報はまだ確認していませんが、労働基準法上の不利益変更にあたる案件になり労使間での調整中が進んでいるようです。
「主要7社で水準」を統一するという点だけでは先述述べたようなグループ全社の売上比率を考えると合理性や必要性を担保することも難しいと考えます。移行期間中は現行制度の差額分を調整手当として支給する形で落ち着くように思います。
子会社が増えてくると給与体系やグループで統一した規程運用をしなくてはいけないですが生活に関わる給与部分に関してはセンシティブな部分なので特に注意が必要です。
「月額10万円賃下げ」提案!?NTTドコモ社員の不満噴出!賃金体系情報流出!?まとめ
真偽は定かではありませんがNTTドコモも賃金体系がわかることになりました。実際他社ではどんな支給項目が存在するかは内部情報なので関与するまで分かる余地はありません。こういったことで知ることはあまりよろしくはないですが結構興味深いものに感じました。
能力主義としてグレード制を導入して評価で一律決定すること自体は今の時代の流れにのったところではあります。大手なので親会社の賃金規程にあてはめればそこまで苦慮することはないと感じます。
しかし、子会社の従業員としては「月額10万以上」下がると考えると心穏やかではありませんよね。
賞与で還元するのかグレードの水準を見直して底上げするのか、策としては色々ありますがNTTドコモだけが高水準なのを是正したいという部分がメインだと思うので賞与などで還元になるのかなと勝手に考えています。
このまま、押し切る形だと社員の退職は免れないか、早期退職制度でもするのか分かりませんが同業他社へ移動されるのもやむなしかと。就業規則で同業他社へ移動を禁止していてもこの点の管理まではできないので大変になりそうです。